LUNA

SANWA SUPPLY
  • LUNA製品写真

    Bluetooth版

    操作球直径
    40㎜
    ボタン数
    接続方式
    Bluetooth 5.1(BLE)
    給電方式
    単4電池×2
    分解能(cpi)
    600
    800
    1,200
    1,600
    保証期間
    1年
  • LUNA製品写真

    独自無線版

    操作球直径
    40㎜
    ボタン数
    3
    接続方式
    USB(Type-A)独自無線
    給電方式
    単4電池×2
    分解能(dpi)
    600
    800
    1,200
    1,600
    保証期間
    1年
  • LUNA製品写真

    有線版

    操作球直径
    40㎜
    ボタン数
    接続方式
    USB有線接続
    給電方式
    USB有線給電
    分解能(dpi)
    600
    800
    1,200
    1,600
    保証期間
    1年

    00年代初頭から長く販売されていたサンワさんの親指型スティングレイが、形はほぼそのまま新たに今時の機能を搭載して令和の世にリバイバル。皆横並びの34㎜優等生組に、古兵は果たして復活の一撃を効かせられるでしょうか。

    23年現在の親指型トラックボール界では34㎜球が事実上の標準ですが、LUNAは40㎜で、基本的な形こそオーソドックスですが「球の大きさが違うとこんなに操作感覚が違うのか」と実感できる機種です。

    2022年はサンワさん主宰「復活祭」の年でした。同年、長らく待たれていたMicrosoft Trackball Explorer型トラックボール「GRAVI」の発売、続けて登場した本機「LUNA」は、かつてサンワさんが長く販売していた40㎜球という親指型としては大きめの操作球を搭載したトラックボールのリバイバル機で、その背後にはこちらも後継が耐えて久しいMicrosoft Trackball Optical(以下、MSTO)の影が見え隠れします。

    LUNAの転生前世Stingrayが発売されていた当時、市場には上でも名前が登場しましたがMSTOも38㎜球搭載型の定番として存在し、34㎜球搭載の親指型本家TrackMan Wheel、そして40㎜のStingray。当時市場に存在した親指型トラックボールは(少なくとも日本国内においては)ほぼこの3機種だけというこぢんまりした状態でしたが、今と違って参入メーカーこそ少ないものの、お好みの球径が、少なくとも3種類選べる状態でした。

    LUNA 横から

    現在その様相は一変し、ほぼ「親指型=34㎜」と見られるようになった今に、突如として復活したLUNA。同期のGRAVIが親指型一緒に染まろうとしている業界に待ったをかけるべく出てきたのだとしたら、LUNAは34㎜球一辺倒の業界に物申すべく……みたいな物騒な話でもないか。サンワさんは昨2022年には珍しい32㎜球を持ったninoちゃんを投下してますし、結構その辺色々やってくる印象です。

    LUNA どんな機種?

    接続方式や解像度などは今時のもので揃えられているとはいえ、3ボタン式で価格設定もお安めなのですが、箱から出してまず思ったこととして、表面処理が昔と違います。同社製品同期のGRAVIよりもう少しマットな、若干サラサラと感じられる手触りの処理となっており、光の反射も拡散するのか色味もGRAVIのそれとは違う感覚で、開封した瞬間「あらかっこいい」と思いました。価格の割にはチープさも極力感じさせないようになっていると思います。私がマット処理が好きという個人的な感覚も強く影響しているとは思いますが、微妙にグレーにも見える程度には「まっくろ」感が抑えてあり、とても良いです。

    LUNA 上から
    マット処理された本体は実売価格の割になかなかの雰囲気

    本体尾部に「LUNA」と記されていてAがなんか妙な形してる辺りに面影はあるものの、かつてサンワさんがお家芸としていた、エルゴノミクススーパーデリシャスゴールデンリザーブアフターケアー流星デザインバイサンワサプライみたいな表記はありません。以前は常にそんな調子だったので、ああいうのを入れておかないと担当者の首が飛ぶのだろうと理解していましたが、責任者が心を入れ替えたのか、それとももう飛ばし尽くして切る首がなくなったのか。なくなったらなくなったで一寸寂しく思ったりする辺り、消費者ってな実に身勝手。うん。でももう復活させなくていいよ。英字新聞プリントシャツが格好良く見える年頃でもあるまいに。

    LUNA 本体尾部のロゴ

    2023年現在一般的な34㎜球からすると2割増ぐらいで大きいと思いますが、その分本体サイズも大きいです。このぐらいのサイズだと、一見して「大きくて握れない」と感じる方も居られるかもですが、それでいいと思います。握るのではなく、あくまで手を載せる、置く形。最近でこそ小型のトラックボールも珍しくなくなったので、つい握ろうとする方も居られると思いますが、なんかちゅーたらすぐスシ呼ばわりされるからって日本人、職人でもないのに握ってはいけませんよ。疲れるだけです。あくまで手は置く。とにかく握らず、置いて操作することを意識して頂ければ、ちーとばかし手が小さくても、指が短くても、どうとでもなると思います。これは本機に限らずほぼ全てのトラックボールに言えることだと思います。

    までも、慣れないうちは無駄に力んで、握ったり掴んだりしてるうちに押した覚えのないボタンを暴発、なんてことがあるかも知れませんが、その点もLUNAは3ボタン式で余計なボタンがないのでそもそも暴発の懸念が少ないですし、慣れて行けば自然と力が抜けて握らなくなると思いますので、そこまでの辛抱です。

    SanwaSupply LUNA 裏面
    本体裏面。ゴム脚が小さく、ネジ頭も丸見えで、これは最近の機種には見られない、初代Stingrayから受け継いだ遺産にして00年代初頭の残り香。電池は単四×2。写真はBluetooth版で、接続先も2つまで対応。

    ボタン数が少ないおかげもあってかメインの左右クリックも大きいので、押しやすいですね。スイッチは静音なので音も静かです。手の小さい人も大きい人もそれなりに受け止めてくれる器があるでしょう。

    3ボタン、1上下ホイール。5段階の分解能設定と、ドングル使用の独自無線接続とBT接続に対応していますが、接続方式切り替えスイッチは本体底面にあるので、本体上面に切り替えスイッチがある機種のように手軽な切替こそ出来ませんが、接続感度などに問題は感じません。

    サンワ・ユニバース

    写真手前が本機LUNA。中段がNOVA、そしてGRAVI。22年にデビューしたスリーピース、ひと呼んでサンワ・ユニバースです(他にはK社のジ・オービッツなどがあります)

    ユニバースはデビュー前から期待の新人で、懐かしさと新しさが同居する静音サウンドで老若男女問わず幅広い層に支持される実力派……になるはずでしたが、プロデューサー(サンワさん)がアレという業界の評判を払拭するには至らず、「あ〜。ユニバースね〜。個々の実力は間違いなくあるんだけど、周辺のサポートがね〜」みたいなことを訳知り顔の業界人に囁かれると。

    中でもLUNAは、ユニバースのメンバーとしては新人ですが昔別のところで活動していた経験があり中身はベテラン。ポリスのアンディ・サマーズみたいね。元はアニマルズに在籍しててキャリアはあるみたいな。

    PERIMICE-720 斜め後方から
    写真上からGRAVI、NOVA、そして本機LUNA

    しかしどのメンバーも実力は確かなので、あとはアレなプロデューサーに頼らずユーザー自身の手で使いこなし、実力を発揮させる。ユーザーの使い方次第でどうとでも化ける、と言えるかも知れません。

    特にLUNAは3ボタン式のシンプルなデバイスですし、凡百の親指型に比して40㎜という巨大な操作球を持っている。トラックボールにおいては、球の大きさ即ちパワーという面が確かにあります。それを活かせるかはユーザー次第でしょう。

    また、最近の親指型は特にですが中途半端にマウスを模したせいで、握らなくていいものをつい握ってしまい、でも握るようには出来てないので握れず手の所在が見つからない、生きづらい、人生が苦しい、なのに理解ある彼氏彼女はいない、みたいなこともまま起こるようですが、LUNAぐらい巨大だとそもそも握れっこないので「素直に手を置く」方向へ意識が向きやすく、結果としてトラックボールを握ったり掴んだりすることなく扱えるコツの習得も容易かも知れません。

    以上のような本体と操作球の形状、そして販売価格もお安めなことから、比較的初心者さんにお薦めして良いトラックボールな気もするのですが、入門希望者が最初に手を載せる対象と考えた場合、今時は他に適してそうな機種も沢山存在し、それら競争相手群の中に入れると、LUNAは結構個性的な機種になってしまうと思います。そこはコールドスリープしてる間に世界がひっくり返っちゃった、みたいな感じですので、40㎜球という親指型にしてはかなり大型の操作球を持っている点に興味がある方が第一のユーザー候補になるでしょう。

    また、手が大きめだったり、親指が長かったりというユーザーで、近年主流の比較的小柄なトラックボールを窮屈に感じたことがある人でも、LUNAの余裕ある本体サイズと操作球には安心して手を預けられるんじゃないでしょうか。どうしてもマウスと比較されるので一見して「デカっ」と言われがちなんですが、LUNAほど大きくても実占有面積は広くないんですよ。

    LUNA

    LUNAはサンワサプライさんの直販、サンワダイレクトさんほかサンワさん系列の複数通販サイトで扱われるモデルとなっています。ラインナップは国内メーカーらしく、接続方式別の3種。有線版があるのは強みですが、無線版は独自無線とBT、くっつけた方がいい気がしますけどねぇ。これはサンワさんに限らず他の国内メーカーもほぼ同様なんですが、色々と国内事情的に難しいのでしょうか。

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