Orbit Optical Trackball
- K64327JP
- 40㎜
- 2
- USB有線接続
- USB給電
- 5年
病める時も健やかなる時も、市場にひっそりと、しかし確実に咲き続けたトラックボール界の保守本流、Kensington社の「かつての」入門機、Orbit Optical。
90年代末、マウスの軌道読取装置がゴム巻シャフトのロータリーエンコーダーから光学式へ移行して行く中、Kensington機はゴム巻きシャフトとローラーベアリングの2方式のまま、なかなか(操作球の表面を光センサーで読む形の)光学式へ舵を切りませんでした。OpticalさんはEM7と同じような時期に、Kensington社トラックボール待望の光学センサー搭載機として登場した機種です。
実はこの前に、同じ筐体で「Elite」といういけ好かないニックネームを持ったOrbitも一瞬存在したのですが、過渡期にありがちな世迷い言として忘れてあげることにします。Eliteさんは大層な名前の割に中身は旧式のゴム巻きシャフトでしたし。エリートなのに!
さてこのOrbit Opticalですが、見ての通りシンプル極まりない作り。トラックボール界に大量絶滅を招いた大きな要因(と私が考えている)スクロールホイール機能をガン無視するという潔さです。いや、ガン無視ったって、ボールを使ってのスクロールモードに切り替えられるソフトウェア的な機能はありますよ。
後継機的存在のOrbitScrollRingが発売されたことでお役御免になるものと思っていたのですが、2020年1月現在も併売されています。私個人的には先代(初代)Orbitを愛していたので、こちらOpticalにはほとんど思い入れがなく、出来に不満こそないものの買い替える必要も感じないまま今日に至っていますが、冷静に考えるとこれも相当なロングセラーですので、確固たる支持者か、これでなければ仕様を満たせない需要みたいなものが、もしかしたら存在するのかも知れません。
いや、入門機として相応しいトラックボールなんですよ。製品として間違いはありません。ただ、今の基本的な需要を満たすにはやっぱり機能が少ないよね、というだけで。
Optical 未だ健在
2020年にこのページを公開して以後も淡々と販売され続けていたOpticalさんでしたが、Kensingtonさんどうやら21年頃から順次、既製ラインナップのアップデートを行なっている様子で、Opticalさんもちゃんとその対象になっていたようです。パッケージも最近のKensington製品のものに変更されていました。
また、前身であるOrbit Eliteから受け継いでいた仕様、支持球が白いセラミック球から人工ルビーへ、ゴム巻きシャフトのロータリーエンコーダ除けのために傾いていた支持球の取り付けも自然な位置へと変更されました。こちらに関してはElite以来のアップデートですから、20年以上前の仕様を更新したことになります。
それに留まらず、なんと中身も刷新。後輩のOrbit with Scroll Ringと共用の基盤、センサーに変更されたとのことです。販売が継続されているだけでも驚きのご長寿機種なのですが、ここまでしっかり更新されているとなれば、Kensingtonさん的にも伊達や酔狂で販売継続しているわけではないのでしょう。
2ボタンですよ。スクロール機能ついてないんですよ。最早マウス界にも純粋2ボタンの新品ってそうそう無いのではと思いますが、Orbit Opticalさんはシンプルで完成されており、正確な発売年は最早はっきり覚えていませんが確か2004年辺りだったと思うので、2024年には20周年を迎えます。