MUS-TRIF175 W
MUS-TRIF175 BK
MUS-TRIF175 GY
ナカバヤシ- 34㎜
- 5
- 2.4GHz独自無線
- 単3電池×1
- 600
800
1,000
- 6ヶ月
Digio2の標準的親指型トラックボール、MUS-TRIF175。2021年の視点で見ると若干の前時代感はありますが、スタンダードとはそういうものでしょうし、本機が発売されるまでDigio
外観が気になる方は上の幸塚名物全周動画でぐるっと全体をご確認下さい。余談ですが動画撮影に臨む際、既に使用中のやつなんかだと掃除してチリ、ホコリを取り除くのが本当に大変で、撮影終えてPCに読み込んでみたら「あーホコリがー撮影しなおしやー」みたいなことも結構あります。その点今回は初の「購入して箱から出してまず撮影」が出来、おかげでチリホコリに悩まされることもほとんどありませんでした。
トラックボール好きの中には気づいた人も多いと思いますが、こちらMUS-TRIF175は、北米AmazonでAmazonベーシックスの親指トラックボールとして販売されているものと同じ型で、台湾のメーカーAreson Technology Corp製です。北米地区の販売権は米Amazonが持ってて、日本ではナカバヤシさんが取った、みたいな感じなのかな。
あいけね。冒頭からこういうどーでもいいようなことを長々喋るから友人にクドいとぶった斬られるわけで、今回もまずは「細けぇこたいいんだよ大枠でお薦めなのかそうでないのか」を述べます。
MUS-TRIF175 幸塚電撃寸評
標準的な5ボタン、見た目も普通の親指型トラックボール。性能も普通と来て、取り立てて文句つけるところはありませんが、正直に申し上げると2021年現在に販売されているトラックボールとしては付加価値も特にない割に価格がちょっと高いと思います。ネット上では今日時点で4千円代半ばで出回っているようですが、その予算ならLogiのm575買った方が。実際北米Amazonで販売されている別性の兄弟は29ドルだっけな、日本円にして3千円強、ちょいちょいセールにも出てるようなので実売3千円弱。その価格なら考えなくもないですが、同価格帯にはEX-G親指型というこれまた有力な選択肢があります。
最初に選ぶトラックボールとしてはクセが少なく標準的な製品なので適している方だと思いますが、やはり価格がネック。企業などで一括導入とか、そういう方向で検討されているのであれば恐らく相応の割引も期待できるでしょうし、悪くない選択だと思います。営業を締め上げて泣くまで値下げさせましょう。だいたいの場合、涙を見せられてもちゃっかり利益は確保してやがるもんです。
個人で買うのであれば、うーん。このサイトで色々あーでもなこーでもない言ってますんで、手間でしょうけどちょっと他のページ覗いて他機種を検討しても損はしないと思います。
ただ「よくわからないけど見ただけで気に入った!」という天啓にうたれた場合は別。そういう時は迷わず購入しましょう。オカルトじみてると言われそうですが、経験上そういう時はほとんど外れません。どんすぃんく。ふぃぃぃぃゅ(李小龍)
MUS-TRIF175 幸塚針小棒大評
さてノルマはこなしたのでここからはいつもの通りにやります。MUS-TRIF175。20年12月23日に発売がアナウンスされ、Amazonでの発売日は明けて21年1月15日になっていたと記憶しています。それから購入機会を伺いつつ半年が経過した6月のAmazonプライムデーで2割引きで販売されていたので購入しました。
Amazonから購入したブツが届き開封して触ってみた最初の印象は、なるほど本当にスタンダードだわという感じで。はい。クセもなく実に素直。比較的小柄で、掌で包み込み持ち上げての操作も可能な辺りはM570的ですねやっぱり。さすがAmazonベーシックス(北米)に選ばれているだけのことはある。日本Amazonで採用されて、もう少し安価で世に出てれいばまた違う道もあったかも知れません。
本体外観など
M575で白を購入し、写真撮影に往生した経験から2度と白機種は買わないと宣言したのですが、誓いも虚しくまた白を買ってしまいました。この白外装は半艶。若干「プラスティックでっせ!」という主張が感じられるので、質感的にはあと一歩。色の性格の違いもあって、黒やグレーだとまた違うのかなという気もしますが、この辺は完全な主観なので難しいですね。私が質感いいと感じた機種を安っぽいと評される人も居るでしょうし。実用上の問題はありませんが質感などにこだわりがある方は要確認。
本体は持ち上げると見かけより軽く感じられ、なんというかこう、空洞がありそうな雰囲気を感じます。余剰生産分が長期不良在庫化している私の内臓脂肪を移植してあげたい。事程左様に、質感を細かいとこまで見て行くとうーん。そんなに悪いわけでもないけど、最近の機種は結構どれもキッチリしているので、それらと比較すると一昔前の製品、という気がします。贅沢に慣れてきたのかなぁ。我ながら嫌だなぁ。
乗せ心地
本体には一見してそれとわかる「指を置く場所」が設けられており、最初に手を乗せる際もポジション設定に迷うことはないでしょう。このハッキリした主張は本機と同じくAresonさん製造のMA-BTTB1にもありました。私はこういう置き方を指定してくる機種とは相性がよくないことも多いのですが、本機に関してはその導きに従って手を置き、それで特に不都合を感じませんでした。手を乗せた感覚はいいです。ただこの指導に従って手を置く感じからするに、普通は人差し指と中指でボタン制御する感じなんでしょうね、恐らく。
その昔ホイールがなかった時代の2ボタンマウスは人・中で保持する人が多かったでしょうし、ホイールが追加されたからといって基本は人・中のままだと、改めて考えてみればそう思うのですが、私はいつの頃からか覚えていませんが薬指で右クリックする人間になってしまい。これって決して主流派じゃなかったんだな。これ自覚し直さないと、今後のレビューに差し障る。まぁもうレビューする機種ほとんど残って無いですけど。
そうは言っても別に薬指右クリック型でも扱えます。その場合は通常薬指を置く溝に小指の先端が乗る感じですが、ようしたもんで、その形でも特に不都合も違和感もないです。凄いね。
本体の造形で目に付く点として、本体天面から操作球面へ落ちて行く谷の入り口に襟があります。スタンドカラーみたいな。面白いですね。わざわざこうして縁が盛り上げてあるということは、扱っているうちに掌が操作球側へずり落ちようとするのを防ぐ効果を狙っているのかな。面白いなーと思ってしげしげと眺めていたら急にいかがわしく見えてきたりもしましたが、私も色々と疲れているのでしょう。誰か、癒せ。
ボタンとウィール
ケンジントン日本サイトにホイールじゃなくてウィールって書いてあったんでそのうちリスペクろうと思いつつ披露する機会もないまま、一応この機種レビュー終えたら現行機はだいたい網羅するので、もういいや脈絡ないけどここで出しておけ。まぁでもウィールだよね音聞く限り。なんでホイール表記になったんだろ。イギリス英語だとそう発音するとかかな。
閑話休題。左右ボタンは別部品で構成。ボタン内部のスイッチは全てマイクロスイッチっぽい感触です。開腹したわけではないので断言はしませんが、とにかく「カチッ」と音がするタイプですので、静音型をお求めの方には適しません。感触は普通です。
ホイー、違う、ウィールもまたこれ極々普通。カリカリの感触は弱めで、ウィールクリック時はこちらも「カチッ」と音がします。チルトは搭載されていません。決して高級感あるウィールではありませんが、まぁ、実用上は特に問題はないと思います。あまりに普通なもんで、自分で他所から勝手に持ってきたウィール表記を自作自演でネタ扱いするぐらいしか言及することがないウィールです。ウィール!(挨拶)
接続方式と電源
電源は単3型電池1本。パッケージに記載の連続動作時間は約392時間とのこと。テスト用としてエナジャイザーの乾電池が付属していました。私はエネループで試用開始しましたがもちろん普通に動いています。
接続方式は独自無線のレシーバ(ドングル)接続のみ。レシーバは本体電池室に収納可能です。このタイプはレシーバを紛失すると即死ですので注意しましょう。古いPCを廃棄する際にレシーバ刺しっぱなしのまま廃棄、最早用をなさない本体だけが手元に残った、みたいなことが起きるかも知れません。
本来裏の滑り止めは黒。うーん。なぁ。確かに普段は見えないし、普通に使用している上で見えることがあっても別に問題はないけど、写真見ての通りあんまいい感じとは言えんよね。
読取精度は3段階
スクロールウィールの下(手前)側、左右クリックの付け根にあるボタンが読取精度切り替えスイッチです。例によって一方通行のロータリー式、押すと現在値を最大3回、青色LEDの点滅で知らせてくれます。1段階目(600dpi)で1回点滅。3段階目(1,000dpi)で3回点滅。私は一番遅い600dpiが丁度よく感じました。
ドライバユーティリティなど
ソフトウェア面での機能拡張等は特に存在せず、メーカーもユーティリティの配布などは行っていません。
パッケージ裏の注意書き
パッケージの裏にちょっと面白いことが書いてあったので紹介。ナカバヤシさんによると、本機を扱う際右手を少し傾け親指が動きやすいようにすると、快適にボールを転がせます
とのこと。
手の置き方指南のようなものはこれまであまり記憶になく、普通はユーザーに丸投げなんですよね。本機なんかは機種そのものが突飛な手の置き方を出来ない造りになっているので、丸投げでもまだ解りやすい方だと思いますが、こうしてガイドしてあるのは良いことだと思います。もちろん、その指南が逆に自分流の持ち方を邪魔するケースもあるかも知れませんが、そういう人は自分流を貫けばいいだけの話ですし、右も左もわからない初心者には大いに参考となるでしょう。
また「丈夫で抵抗感が少ないセラミック支持球」との記載もあります。パッケージ兼マニュアルみたいな扱いの台紙で老眼にはちと面倒臭い文字サイズですが、まその辺はこっちが機能的な不具合抱えてる話だからしゃーないね。
総ざらい
トラックボール新製品が狂い咲いた2020年暮れに駆け込んだMUS-TRIF175。個性的なトラックボール「Q」を擁するナカバヤシさんのトラックボール第2弾で、黒、灰、白の3色展開です。
製品を作っているのは冒頭に述べた通り台湾のAreson社。実は私、結構なお気に入りだったQも丸々AresonのOEMだったと知って気が抜けてしまい、同じくAreson製の本機レビューもなかなか前向きに取り組む気が起きなかったのですが、製造する業者、販売する業者、どちらが欠けても私の手元には届かないのだからと考えを改めまして、ちゃんと気合い入れ直してレビューに臨みましたよ。
ただ、どうせなら製造御本家の情報から扱いたいと思ってしまうのは、これは理屈じゃないんです。玄奘三蔵がガンダーラにお経貰いに行くのと同じような心境じゃないかと思います。ホントかね。
ともかく。国内店頭に並んだであろう21年1月中旬時点で既に、若干の型落ち感漂う機種であったことは否定出来ないと思うものの、10年単位でひとつの機種を使い続けるユーザーも少なくないトラックボール界ですから、スペック上の型落ち感が即、評価に直結するわけでもありません。結局のところは自分の感覚に合うか合わないかですし、自分の感覚に合うのであれば、自分の感覚に合わない最新機より本機の方が上等な機種となります。
惜むらくは単純に価格で、本機が21年現在で販売されている価格帯には、他に有力な候補がひしめいています。それらの機種とまともにぶつかり合うとなれば、勝負はかなり不利です。スタンダード機として完成された機種だとは思いますが、もう少し価格面の競争力がついてこないと、あれこれ比較検討される方の手に渡るのは難しいでしょう。
つまりその、手を置いてみて気に入ったなら(そういう場合は本機でなくても)買いですが、そうでなければ少し様子見、という感じだと思います。
余談
今回はアッサリと禁を破って白のトラックボールを買ったので、それなら青球載せてOrbitアレンジしちゃれということでペリ青球を増球しました。Logiの青球と入れ替える手もあったんですが、M570球もM575球も、どちらもイメージよりちょっと色が薄かったのと、Orbitアレンジを行うのにLogiの球使ってたら何処からか天罰の雷撃喰らいそうだなと思い留まった次第。
私、サイト上では一応公明正大を心がけてはいますが、完全に主観を排するのは土台無理な話ですからね。私はフィンガー派で親指型に対しては「普通に好き」ぐらい、フィンガー型に対する偏愛には到底及びません。なので34mm球が中心の替球にも基本的には興味がなく、コレクションするつもりも更々ないんですが、今回購入を機に数えてみたら結構持ってたんです。黒、金、緑、マット、ラベンダー、青。合計するとトラックボール1個買えるぐらいの額使ってるのか……。
こんなことなら最初からセット買っときゃ良かった。セットだと組み合わせは選べないけど800円ぐらい安くなるし、どうせなんだかんだ揃って行くんだろう。この分だと。
白眉は後ろから2番目の「マット球」。これだけが艶消し処理が施されたざらざらした球で、当然滑りません。が、滑らないおかげで操作精度が上がります。他の色と違い艶消し球だけは使用感が大幅に変わる、ある種の改造グッズみたいなものです。個人的には大昔のゴム巻きシャフトローラー機のような感覚があって、これはこれで十分使える球だと思います。普段扱っていて「滑りすぎる」と感じる方は試してみるのも一興。一度は販売終了になりましたがユーザーの熱い要望に応えて復活しました。やったね!
一番最後の箱入り娘はエレコム純正の34㎜交換球です。色は赤ですがペリックスの赤とはまた色味が違います。