HUGE

ELECOM
  • HUGE(無線版)真上から
    型番
    M-HT1DRBK
    操作球径
    52㎜
    ボタン数
    8(10)
    接続方式
    2.4GHz独自無線
    給電方式
    単3電池×2
    読取精度(カウント)
    500
    1000
    1500
    保証期間
    6ヶ月
  • HUGE(有線版)真上から
    型番
    M-HT1URXBK
    操作球径
    52㎜
    ボタン数
    8(10)
    接続方式
    USB有線接続
    給電方式
    USB給電
    読取精度(カウント)
    500
    1000
    1500
    保証期間
    6ヶ月

親指型EX-Gにフィンガー型DEFTと矢継ぎ早に粒ぞろいの2機種を投下し、一躍トラックボール市場期待の星となったELECOMさんが2017年に投入したのがこちら、大玉搭載の右フィンガー型、HUGE!

HUGEが発売された同時期に、Logicoolも久々の新型MX ERGOを発売。最寄りの大手家電量販店ではトラックボールのデモ機を集めて「トラックボールコーナー」なんて売場が設けられており、あたしゃ泣きましたね。ええ。トラックボール復活の狼煙が上がった! と。量販店PC売場の店員さんなんて属性を考えるにそこそこトラックボーラー潜伏してそうですもんね。いや本当にELECOMさんの功績は大きいと思います。

ということで、本機の外観を動画で。回転台に乗せてただ回しているだけの動画で、視点も固定ではありますが360度見られます。静止画よりこの方が伝わる情報もあると思うので参考にどうぞ。

私が発売当時に量販店のトラックボールコーナーで目撃した際は「さすがにこれはおいそれと手は出せない」価格でした。標準価格という名で現在も数字だけなら残っていますが、21年現在の実売価格はその標準価格からすると信じられないほど安くなっています。もし店頭でデモ機に触れるような機会があり、よさそうだと感じたのであれば、ネット上で安く販売されているものを探すと幸せになれるかも知れません。

初見の印象

HUGE

HUGEホイール側から

いやーデカいですね。右フィンガー型で大玉ってのは過去にもいくつかありましたがそれは既に歴史の彼方の話。普通に考えて左右対称型の大玉出してくるというならまだ想定の範囲内とも言えますが、まさかこんな後継が絶えて久しいとこを狙ってくるとは。

このHUGE、評判は国内だけに留まらず、海外でも「ようやくトラックボールエクスプローラーから乗り換えられる!」という声が挙がっています。名前の通り大柄なHUGEは、ひょっとすると日本より海外の方がより高評価を受けられるのかも知れません。日本語パッケージのままのHUGEを開封してる写真なんかを見ると、これまでそんな状況、国産トラックボールを海外の多くのユーザーが開封してるなんて想像したこともないもので、なんか変な感じです。基本、逆の立場でしたからね。

私個人的にも大玉の新顔なんて目にするのはサンワさんのTB-38以来でしたし、おまけに右手用と来れば、いつ以来ですっけ。真面目に遡ってもTurboRing以来とかじゃないですか。Bluetooth版がないのは残念ですが無線版はあります。そりゃ出来の良し悪しに関わらず試してみたくなるのがトラックボーラー当然の心情ってものです。ということで無線版を入手。

操球感覚

HUGE

HUGE購入当時、所有していた大玉トラックボールはKensington社製の2機種、EM7とSBTでした。この2機種の操作球は結構な重さがあります。それは欠点ではなく、重いが故のメリットがあるのですが、さておき、そのKensington製大玉の感覚を持ったままの状態で、開封したてのHUGE触って驚きました。操作球がだいぶ軽いのです。

HUGEの操作球、重さ実測

HUGEの操作球

SBTの操作球、重さ実測

SBTの操作球

EM7の操作球、重さ実測

EM7の操作球

もちろん同じ大玉とはいえHUGEのそれはKensington2種より若干小さい(直径−3㎜)のですが、それにしても軽い。実際軽く作ってあるそうなのですが、これは良い意味で裏切られました。指先だけで軽く制御出来る大玉。動かしてみてポインタ制御等に問題は感じられません。

基本的なスペックは表のとおりですが、分解能切替はサムレスト横にあるスイッチで、エナジーモード切替は本体底面のスイッチで行います。エナジーモードは操作球を速く動かした際の追従性能に関係しており「普通に弄ってるつもりだけど時々ポインターが飛ぶ」ような症状が頻発する場合はハイスピードモードに切り替えて利用します。当然、ハイスピードにすれば消費電力は増えます。私はローエナジーモードで利用しており、稀にポインタ飛びますけど、光学式になって以後の入力機器はそんなものだと思っているので、特に気にしていません。

操作球の軽さ、ポインタの追従性、無線感度も含めて、操球感覚は「上々」です。

ボタンについて

HUGE

HUGE写真 ハンドレスト側から

ボタン配置

ボタンレイアウトについての嗜好は十人十色でしょうから、ここはいいがあれは駄目みたいなことを言い出してもキリがありませんし、HUGEは見た目こそちょっと変ってますが、ボタン配置は最近の入力機器としては極々標準的だと思います。目立った不満はありません。


HUGE写真 操作球側から

ボタンの感触

親指制御用で本体左側に垂直に埋め込まれている各種のボタンに関してはまぁ、普通です。可もなく不可もなく。ただ、本体上面右側に設置されている2つのボタン(右クリック側)に関してはちょっと……カチャカチャと軽薄。ただ押すだけなら問題はありませんが、感触まで求めちゃ駄目ですよという感じ。


HUGE写真 スクロールホイール周り

スクロールホイール

スクロールホイールはカリカリの感触が控えめなタイプ。チルトホイールも極々普通の感触です。また、EX-G親指型と同じく、チルトホイールの左右はボタン数に数えられていないので、ここに機能を割り振れば10ボタンになります。Lボタン(左クリック)の下は分解能切り替え用のスライドスイッチ。

ソフトウェア機能拡張

HUGE

ボタン機能をカスタマイズするにはソフトウェアが重要になります。ELECOMの制御ソフト「エレコム マウスアシスタント」については、同社製他機種(bitra人差し指)のページで多少触れています。いずれ別ページに主要メーカーの制御ソフトウェア情報をまとめる必要も感じてはいますが、いかんせん私が基本的にあまり制御ソフトをアテにしないせいもあって、いまいち乗り気になれずにいます。複数のテスト環境整えるもの面倒くさいしなぁ。

それはまぁ先々の個人的な課題として置いといて、HUGEを単体で利用する状況であれば、エレコムマウスアシスタントはとりあえず必要十分な機能は持っていると思います。ただ、他メーカーのマウスも控えに置いているとか、ペンタブレットも同時に利用しているとか、そういった少し複雑な条件になってくると、こちらが希望する通りに動いてくれない症状が発生することもあります。まだまだ発展途上なソフトウェアだと思いますので、エレコムさん是非こちらも頑張って下さい。

気になる点

HUGE

HUGEに限りませんし、製品の出来と直接関係はないのですが、HUGEの製品保証は購入から6ヶ月となっています。半年……。それは自信の現れなのかそれとも。今のところ故障報告はあまり見かけない気がするので品質的に問題はないようですが、実売価格はともかく希望小売価格は結構強気ですし、もうちょい保証してくれてもいい気はするんですけどねぇ。

常用しているわけではないですし数字を取ったわけでもないので、あくまで「そういう気がする」程度の話ですが、HUGEに限らずエレコム社製トラックボールはその多くで高耐久スイッチを搭載しているおかげか、少なくともチャタリングの報告はほとんど見かけないように思います。現状、私個人的には保証期間の短さはあまり気にせず購入して良い機種だと思います。

あと、懸念があるとすれば貼り付けてある低反発素材のハンドレスト。こういうのってだいたい何年かすると破れますよね。そんなこと言ってたら話が始まりませんから破れたその時に考えればいいんですけど。でもなぁこの手の素材って暑いんだよね正直。冬はいいけど夏は間違いなく汗かくしそれでまた劣化が進む。痛し痒しです。ただ、感触そのものは悪くないですよ。

純正ケース

HUGE

HUGEは気に入っているので、なにかあったときはすぐ使えるように手元に置いています。具体的に言うと、プチプチに包んでトラックボール入れ(ダンボール)に縦にして放り込んでいますが、収納中に他のトラックボールから圧がかかって、低反発素材的ハンドレストに変な型が付いちゃったりするんです。外箱を捨てずに取っておいて収納する手もあったのですが、お持ちの方ならわかるようにあの箱は頻繁な出し入れにはあまり適していません。あと、私、コレクターじゃないので外箱とかにはあんまり興味がなく。なので基本すぐ捨てます。

たまに引っ張り出してきて変な型がついてしまったHUGEを見ると申し訳ないやら情けないやらで、どうしたもんかと思っていたところに純正ケースが発売されていることを思い出しまして。純正ケースはメイン機であるDEFT PRO用は購入していたのですが、DEFT PROは1軍のエースですから収納することはまずなく、買ったものの写真撮って終わり状態でした。

それから3ヶ月ほど経ちましたか。数日前に「HUGEなら用途の通りに使えるじゃん!」と突然気づいたので注文しました。

BMA-HT1BKとBMA-DPT1BK パッケージ外観

いやー。ケースのケースもデカいですねさすがHUGE。隣は9月に購入したDEFT PRO専用純正ケースのケースです。たまたま捨てずに転がっていたので組み立て直して撮影した次第。年越しまでには処分します。

  • BMA-HT1BK 本体外観
  • BMA-HT1BK 蓋を開けたところ
  • BMA-HT1BK HUGEを収納 ハンドレスト側から
  • BMA-HT1BK HUGEを収納 操作球側から
  • BMA-HT1BKとBMA-DPT1BK 製品外観
  • BMA-HT1BKとBMA-DPT1BK 全高の比較

ケース下部にはケーブルを収納するための窪みがあり、レシーバも収納出来るようになっています。ちょっと背が高くない? と思うところもあるのですが、まぁ、仕方ない。大きさの比較にと思ってDEFT PROのケースも一緒に撮影してみたけど、考えてみりゃそっちの大きさをそもそも皆知らんっての。まぁでもいいや。両者に共通したイメージはずばり「飯盒」です。なるほど。最近アウトドアブームだもんね。

BMA-HT1BKとBMA-DPT1BK 対象機種収納時

まとめ

HUGE

名前も見た目もHUGEですが、決して手が大きい人だけでなく、私みたいな手が小さめの人間でも違和感なく扱えます。ただ、例えば同社製品のEX-G親指型などは「掴む」形なので手は閉じた状態なのが普通だと思いますが、HUGEは割と手を広げて、ボタンを制御する際は大柄ですから指を伸ばして使うストレッチ感覚がある。当然、それがいいと感じる人も居ればそうでない人も居るでしょうから、検討される場合はやはり実機確認をおすすめします。

人により感触が合う合わないはどうしてもありますが、ELECOMのトラックボールは最低限の品質は完全にクリアしていて、あとは自分に合うか合わないかで選んでいいところまでは確実に到達しています。耐久性の問題や、無線感度等の問題は使っている自分の方に原因がある場合もありますし、個人差もある。それはトラックボールでなくたって発生する話です。

HUGE、よく出来たトラックボールですよ。HUGEならではの特徴もあって、それが合わない人も居るだろうとは思いますが、基本的におすすめ出来る機種だと思います。

HUGEとDEFT PRO 比較

DEFT PROのページ内でHUGEとの簡単な比較を行っています。

HUGE(無線版)

HUGE(有線版)

BMA-HT1BK


HUGE用純正ケース

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